保護猫活動(動物福祉)の世界では、なんとなく「お金を稼ぐこと」はタブー視されているように感じます。実際、私以外の活動家で「動物福祉の世界にもお金を稼ぐスキルが必要」と言う人を見かけたことがありません。猫の命をサブスク化して稼ぐ方法などは論外ですが、動物保護活動の世界でもお金が必要なのは言うまでもない事実なのです。
これまでに私が関わってきた保護猫シェルターや保護猫カフェ、保護猫団体は、寄付金と助成金で活動費、フード代、医療費などを賄っています。しかし、リーマンショック級の不況が起こると、これらは一瞬で消えて無くなります。理由は簡単で、人も行政も「猫助け」よりも『人助け』を優先するからです。
この3年間、メディアなどで愛護動物への虐待、遺棄、多頭飼育崩壊、そして、沖縄県で起きている野良猫全頭駆除などを見聞きする度に胸を痛めてきました。不幸な猫をなくしたい、猫の殺処分をゼロにしたいという想いで、何度会社を辞めようとしたか分かりません。しかし、猫を助ける人が資金ショートを理由に行き倒れてしまい、結果的に私自身が人に助けられ保護した猫を不幸にするのは本末転倒と考え、会社を辞めることを思い留まってきました。熱い想いは大切。けど、熱い想いの中には冷静さと綿密な事業計画が必須で、保護猫活動を持続可能な活動にしなければならないと考えています。だからこそ、寄付や助成金に頼らず景気の良し悪しにも翻弄されない、「自立した保護猫団体」が必要なのです。
「不幸な猫をなくすためには、ヒトモノカネが必要」。道義に反することなく、また、法令を遵守しつつこれらを集められないか。このことでずっと悩んできました。そして、悩んだ末生まれたアイディアが、ハンドメイド猫雑貨イベント『猫道楽』です。
『不幸な猫を無くす』ためのニャンクチュアリのチャレンジは始まったばかりですが、『猫道楽』と言うとても大きな一歩を踏み出すことができました。初回にもかかわらず出店してくださる全てのクリエイター様、これから出会う全ての来場者様、出店企業様、協賛企業様、熱心に私の妄想を聞いてくださる「ロイヤルカナンジャポン合同会社様」、ニャンクチュアリ設立当時から後援下さっている「三重テレビ放送株式会社総務部有志の皆様」、三重テレビ放送株式会社山口社長様のご紹介で猫道楽イベントチラシを無償で配布してくださる「格闘技イベントRIZIN様(株式会社ドリームファクトリーワールドワイド様)」、そして、いつも私を助けてくれる妻と仲間たちに心から感謝申し上げます。
ニャンクチュアリの団体理念は、「猫と人の物心両面の幸福を追求する」です。初回の猫道楽はハンドメイド猫雑貨の売買が中心ですが、2回目以降は『保護猫譲渡会』を東京都立産業貿易センター台東館にて併設して開催すべく準備を進めています。団体理念を体現する形でイベントを企画運営し、道義的かつ法令遵守した上でたくさんの猫と人の幸福を追求してまいります。
※2023年6月以降、第一種動物取扱業(展示)を越谷市保健所へ申請及び取得する予定でいます
そして、保護猫カフェをオープンするにあたっての開業資金と運転資金の目処がつき次第、現在勤めている日立を退職し保護活動家として第2の人生を歩みます。
何卒、ご指導ご鞭撻及びご理解ご支援のほどお願い致します。
本田 頌
NPOニャンクチュアリ代表理事